神戸商工会議所 会頭 祝辞



























































 本日、令和3年「電気記念日」の式典が開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。

 1878年に日本で初めて電灯が灯されて以来、140年以上の長きにわたり電気事業に携わってこられた方々のご尽力に対し、深甚なる敬意を表すとともに、地域経済の発展、我々の豊かな暮らしの実現に多大な貢献をされてこられたことに、深く感謝申し上げます。

 神戸における電気の歴史は、1887年に全国2番目の電灯会社として「神戸電灯」が現在の栄町通6丁目に設立されたことに始まります。当時より、外国人居留地では電線の地中化を推進し、景観に配慮した先進的な取り組みが行われ、その美しい街並みは今なお高く評価されています。

 その後、長い歴史の中にあって様々な困難を乗り越え、今日に至るまで、電気は重要な社会インフラとして、兵庫・神戸の企業活動と市民生活を支え続けています。

 さて、今回の世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、経済や社会活動が抑制され、神戸におきましても、多くの企業が事業活動の大幅な縮小・停滞を余儀なくされるなど、大変厳しい状況が続いています。

 一方で、ワクチン接種の道筋が示されたことは、経済活動のリスタートに向けた大きな一助となるものと期待するところであります。

 そして、コロナ禍で、企業や人々の行動様式は大きく変化し、ニューノーマル時代においてDX(デジタルトランスフォーメンション)の急速な進展や社会的ニーズの顕在化など新たな動きが顕著になっています。

 我々は、こうした潮目の変化を次なる成長へのチャンスと捉え、従来のビジネスモデルにとらわれることなく、生産性の向上や、新製品、新サービスの開発などに積極的にチャレンジしていくことが肝要であると存じます。

 さらに今、神戸では脱炭素社会におけるクリーンエネルギーとして注目される、水素のサプライチェーンとエネルギー供給システムの構築に向けた世界初のプロジェクトが進められています。

 こうした経済活力を生み出す最先端な取り組みとともに、神戸の強みである自然豊かで快適なビジネス環境としての魅力を高め、内外から多様な人材や企業を呼び込むことで、神戸の経済競争力を強化していかなければなりません。

 また、広域でみますと、関西圏は2025年大阪・関西万博を一つのゴールに見据え、ポストコロナに向けた都市基盤インフラの整備が加速され大きく発展していくと期待されており、安定した電力供給の体制とその果たす役割は益々重要度が高まるものと存じます。

 当商工会議所といたしましても、行政とも一体となり、こうした将来に向けた取り組みを着実に進めていくとともに、地元企業の事業継続・雇用維持への支援、デジタル化や業態転換など新たなチャレンジのサポートに総力を挙げ、神戸経済の活性化に尽力していく所存です。

 引き続き、当商工会議所の事業に対しまして、皆様方のご支援、ご協力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第です。

 結びに、この電気記念日を通しまして、企業から市民まで幅広く、電気の重要性が再認識され、電気事業への理解がより深まりますことを願っております。

 本日ご参加の皆様のご活躍とご健勝、電気事業の一層のご発展を祈念申し上げ、お祝いの言葉とさせて頂きます。

令和3年3月25日

神戸商工会議所 会頭 家次 恒